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Windows10 Creators Update に USB AUDIO CLASS 2.0 ドライバが標準実装されたので、ちょいと試してみました(序章)

time 2017/05/14

Windows10 Creators Update に USB AUDIO CLASS 2.0 ドライバが標準実装されたので、ちょいと試してみました(序章)

【 MSさん、Win10CUでMS謹製UAC2.0ドライバ実装したよ!のお知らせ 】

Windows10 Creators Update(バージョン1703、ビルド15063)が2017年4月にリリースされました。Windows10の大型アップデートとなるわけです。が、「それ、オレたちPCオーディオ愛好家にとって何か影響があんのか?」というお話、コイツが問題なわけです。既に各所で報道されておりますが、OSでネイティブにUSB AUDIO CLASS2.0に対応する事となりました。

「ネイティブ? なんじゃそりゃ?」
はい、Windows10 Creators Update には最初っからUSB AUDIO CLASS 2.0対応のドライバが搭載されていますよってお話です。

これまでWindowsでPCM96kHz以上対応のハイレゾDACを使用したい場合は、DACメーカーの提供するドライバをほぼもれなくインストールせねばなりませんでした。平たく申しますと、WindowsOS自体にはオーディオデバイスに対してPCM96kHzを超える音楽データをUSB経由で出力する仕組みが無かったのです。なので、その仕組みを追加してやらんがために”USBDACメーカー謹製ドライバ”をインストールしてたわけですね。「それ、今度付けちゃるわ。MacOSよりちょー遅れたけどな」とMicrosoftさんが仰った話が、これからお話ししようとしてる件でございます。

【 そもそも話、USB AUDIO CLASSってなんだよ? 】

「USB AUDIO CLASS」、PCオーディオの記事を見ているとよく出てきますよね。USBDACにとってなんか大事な言葉の様なんだけどイマイチ知らん。というか、キレイにスルーしてた方もいらっしゃるのではないか?と。勘のよろしい方ですと、「『USB AUDIO CLASS 1.0』と『USB AUDIO CLASS 2.0』ってのがあったはずなんだがのう?」っとヒラメかれたことでしょう。

▽ USB1.1/2.0/3.0の話じゃないんですよ

「USBの1.1とか2.0とか、もっと早い3.0対応とかいうじゃん。それに関係する話なんじゃないの?」
実はよく言われるんですが、このお話とは違います。それ、物理ポート(挿込口)とデータ転送帯域幅(スピード)、給電可能電流のお話。

USB AUDIO CLASSって、USBポートに接続された後の”オーディオデバイス”を管理・制御する仕組みのお話でして。USBの物理ポートにデバイス(USB機器)を挿し込んだ後に起こる、まあ諸々のお仕事について言及しています。

▽ クラスドライバってなんだ?

『USB AUDIO CLASS』、これにドライバという単語がくっ付いて使われる事が多いのです。「USB AUDIO CLASSドライバ」なわけですから、ざっくり「USBポートに接続された後の”オーディオデバイス”を管理・制御するソフトウェア」です。USBケーブル内でやり取りされるオーディオデータをどういう決まり事でキャッチボールするか?とか諸々を書き込んでるプログラム、とも言えます。

そこで”クラスドライバ”。「クラスって何なのさ?」話に移りましょう。これ、理解に大事なこと。USB1.1にしても2.0にして3.0にしても、USBの物理ポートには様々な種類のUSBデバイスが接続されますよね? 例えばマウスとか、プリンタとか、USBメモリとかUSBHDDとか。USBのWebcamもあるでしょうし、USBDACだってそのひとつになります。

そんなUSBポートにまつわる周辺の事実を踏まえ、「今USBの物理ポートに挿し込まれたデバイスはどんな種類のものなのか」 PC側が簡単に識別する目的で、USBデバイス(機器)の機能別にそれぞれをカテゴリ分けしているのですね。これを”USB DEVICE CLASS”と呼んでいます。

例えばこんな感じです。
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・USBマウス ⇒ USB HIDクラス
・USBプリンタ ⇒ USB プリンタクラス
・USBメモリ・USBHDD ⇒ USB マスストレージクラス
・USBWebcam ⇒ USB ビデオクラス
・USBDAC ⇒ USB オーディオクラス
※その他いろいろ
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各デバイスクラスに分類された同種の機器については、その制御の仕組みも共通化出来るよう配慮されますので、ソフトウェアとしてのドライバも同じものを利用する事が出来るようになります。USBデバイス(機器)がデバイスクラスに適合するよう作られている場合、それを”~デバイスクラス準拠”と呼称されます。すなわちUSB AUDIO CLASS準拠のUSBDACとは、『USBに接続されるオーディオ関連のデバイスであって、デバイスクラス中のUSB AUDIO CLASSに対応したドライバを利用した場合に正常動作しますよ』という事を表しているとも言えるのです。

他のデバイスクラスと違い、USB AUDIO CLASSの機器は音楽鑑賞などで利用されるわけです。元々、空いてりゃドバー・混んでりゃチョロチョロなUSBのデータ転送。音楽再生はそんなので音が切れてしまったら元も子もないですから、USB内でのデータ転送の等時性を確保せにゃなりませんね。そこで、USB AUDIO CLASSでのデータ転送の仕組み、単位時間に必要とされるデータ量をキッチリ送る事ができるアイソクロナス転送という方法を利用しているのが大きな特長です。USBを利用するPCオーディオの基盤技術といってよいでしょう。

▽ ふたつのUSB AUDIO CLASS

で、USB AUDIO CLASS、1.0と2.0、ふたつの種別に枝分かれします。
大雑把に言いますとこんな感じの差。
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・USB AUDIO CLASS 1.0 ⇒ ~PCM96kHzまでの音声データを問題なく送れるような形であれこれ規定されています。(Windowsには元々標準実装されていた)
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・USB AUDIO CLASS 2.0 ⇒ PCM96kHzを超える音声データについても問題なく送れるようにあれこれ規定されています。(Windows10 Creators UpdateからOSに標準実装された)
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UAC1.0と2.0ではデータ転送する際の時間的な基準をはじめ、時間毎の転送回数・転送サイズに対する柔軟度が異なっています。で、ここ最近のUSBDACはPCM96kHz以上のコンバージョンも可能なものがほとんどですから、USB AUDIO CLASSの中でも2.0に該当するドライバを利用しているわけです。

ちなみに、USB AUDIO CLASS2.0に”非準拠”で動作するUSBDACも確かに存在しています。この手のものはバルク転送と呼ばれ、メーカー独自の仕組みで制御されることになりますから、その機器オリジナルのドライバを利用する事になります。USB AUDIO CLASS 2.0に準拠しようがしまいがドライバは必要です。なので、USBDACメーカーが提供しているWindows向ドライバには、USB AUDIO CLASS 2.0に準拠したものもあれば非準拠のものもある、というわけですね。今回のWindows10 Creators Updateに実装されたUSB AUDIO CLASS2.0ドライバは、その仕組みに準拠したUSBDACが関係するお話になります。

・・・前置きがちょー長くなってしまったぞ。以下、本題(次の記事へ)

【補足】
USBの仕組みや挙動は、実のところそんなに単純じゃないんです。複雑に積みあがった関連ソフトウェアの構成で本来は考えるべきであって、単にクラスドライバだけを見てればいいわけじゃありません。ただ、USB AUDIO CLASSドライバもその中で大切な役割を果たしていますし、PCオーディオにとっては不可欠な内容ですので、大雑把にでも認識なさっておかれますと今後の理解のお役に立つように思います。

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